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自主研修【クレームドラフティングスキル向上のための勉強会(第3回):名古屋市】

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 自主研修の第3回目の告知です。
 自主研修が軌道に乗りつつあります。できる限り2ヶ月に1回程度のペースで続けたいと思います。第3回目は年末開催になりますし、繁忙期も始まりつつありますのでどの程度の人数が集まるのか少し不安もありますが、下記の日程で予定しています。

 今回のお題は機械関係です。機械関係であれば多くの分野の実務家が関係すると思います。多くの実務家に役立つ議論をしたいと考えています。

 参加希望を表明していただいた方は電子掲示板に招待致します。お申し込みの際には参加を希望する旨とご自身のメールアドレスとを記載したメールを下記宛先に送信してください。サンプル明細書は自主研修開催日の1ヶ月ほど前に電子掲示板にアップロードしますので、参加者は電子掲示板を通じてサンプル明細書をダウンロードしてください。
 クレーム案は開催日の3日前までに電子掲示板にアップロードしてください。参加者は一通り目を通した上で討論会にご参加ください。
 電子掲示板には当日の議論の内容も随時書き込んでいきます。後日、議論の内容を確認したり、検索したりできるようにすることを目的にしています。

 第3回研修会は以下の予定です。
●日時
2018年12月21日(金)18:30~20:30頃 
●場所
弁理士会東海支部
●サンプル
機械関係
●メール宛先:岩上アットマークを小文字のアルファベットに置換してください(ウェブサイトのcontactからお申し込みいただくことも可能です)。
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量子コンピュータ関連技術の特許出願統計

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 量子コンピュータ関連技術の特許出願について統計をとってみました。
 ここ数か月のニュースを見ていますと、人工知能関連のニュースはずいぶん少なくなってきたように思えます。ある開発者さんからは、人工知能で実現できることと実現できないことが少しずつ分かってきたと聞きました。一時期のブームは終了し、より現実的なフェーズに移行したのでしょうか。そういえば、人工知能について流行期が終わり、幻滅期に差し掛かったというニュースもありました。

 私は、弁理士という職業柄、最先端のあらゆる技術に興味がありまして、以前から量子コンピュータが気になっていました。
 そこで、量子コンピュータ関連の特許出願の動向を調べてみました。統計は、以前人工知能関連技術について実施したものと同様の手法です。(公開年AND量子コンピュータ)で得られた件数を集計しました。検索にはJ-PlatPatとUSPTOのPatent Application Full Text And Image Databaseを使用しました。例えば、米国であれば、公報全文にquantum computerが含まれる2016年公開の出願を、(PD/1/1/2016->12/31/2016 and SPEC/” quantum computer “)というパラメータで検索しました。
 このような検索では、一言「量子コンピュータで実現してもよい」と書いた程度の明細書もヒットしますので、検索結果から多くのことを抽出できるとは思いませんが、それでも出願動向はわかるのではないかと考えています。
 結果は図1です。棒グラフは量子コンピュータというキーワードを含む出願の公開件数であり、数値は左の縦軸で示されています。折れ線グラフは棒グラフで示された公開件数をその年の全公開件数で除して規格化した値であり、数値は右の縦軸で示されています。


 まず、日米双方で出願件数が少ないことに驚きました。最近ですと2020年ごろまでにIBMやGoogleが量子コンピュータのクラウドサービスを始めるというニュースが報じられるなど、新聞等で量子コンピュータのニュースを見ることも増えてきました。そして、それらのニュースは、基礎研究段階を終え、実現が近づいているというニュアンスで報じられることも多いです。
 それなのに、日本で50件以下、米国で300件以下の公開数って。。。実際には、まだ技術的なブレイクスルーがなく、実現に必要な要素技術の開発もまだまだ先になるというフェーズなのでしょうか。
 日米の差に着目すると、全期間にわたって米国における公開件数が日本における公開件数を圧倒しています。例えば、2016年を見ますと、日米の件数は16件、204件であり、12.75倍もの差があります。この年の米国の公開件数は日本の公開件数の1.68倍でしたので、全産業分野での公開件数の比をはるかに超える差がついてしまっています。ちょっとした衝撃です。今回の検索結果が日米の技術力の差を正確に示していると言う気はありませんが、日米において量子コンピュータの開発成果に埋めようのない差がつくかもしれないという危惧は生じます。
 また、2016年の16件という公開件数は、日本国内でほとんど研究成果が出願されていないといえそうな数値です。一昔前までは、量子コンピュータの基礎的な研究において、日本の研究者がある程度の存在感を持っていたと思うのですが、今はどうなってしまったのでしょうか。
 特許の統計を集計していると、ほとんどの場合、日本の出願は、2008年頃のリーマンショックの影響で出願数が激減し、その影響が現在でも色濃く残っていることが示唆されます。量子コンピュータの研究や出願もおそらく不況の影響を受けたのだと思いますが、それにしてもこの存在感のなさは衝撃です。まさか、日本での研究成果が日本で出願されず米国のみで出願されているってこともないでしょうし。。。詳細は把握していませんが、量子コンピュータについてもAIと同様に日米で埋めがたい差がついてしまうのではないかと心配になります。私は、理学部の物理学科を卒業し、工学部の応用物理系の大学院を修了しました。その頃、主な科目の中で量子力学が一番楽しかったと記憶しています。いかにも大学で扱う物理のような気がしてまして。弁理士となった後、いつの日か量子コンピュータの出願に携わる日が来ないだろうかと期待していたのですが、上述の検索結果を見ると当面そういう日は来ないように思えますね。。。

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第2回自主研修

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 自主研修【クレームドラフティングスキル向上のための勉強会:名古屋市】の第2回目が終了しました。前回参加者に加え、若干名の新規参加者がいらっしゃいまして合計9名の弁理士で研修を行いました。企業内弁理士4名、事務所所属弁理士5名でした。
 今回のお題は、ネットワーク関連発明です。サーバ+クライアント(+その他)を含むシステムに関連する発明の場合、発明の名称、構成要件をどのように定義し、誰を侵害者として想定するかということを中心に議論を行いました。方向性としては大きく2種類あり、それぞれの方向性について自身が執筆したクレームに言及しながら自身の考え方を述べるというスタイルで議論を行いました。議論の結果、各方向性での考え方が整理できたように思えます。今後、この議論をきっかけに思考を進めて実務に役立てたいと思います。
 第1回に引き続き、活発に議論ができました。やはり、向上心のある方々と議論するのは楽しいし、ためになります。一方で、この研修会の課題も浮かび上がってきました。各参加者が実際にクレームを執筆することでお題に対する自分の考え方や課題、論点を深く考えることができますので、活発に議論できますが、議論の結果、結論を導くのが難しいです。複数の実務家の知識を集めることで知識や考え方に多様性を持たせることはできるのですが、その結果、実務上の指針を導くことができません。結論がない題材を使っている以上しかたがないのかもしれませんが、少し別の方向のお題も加えていく必要があるかもしれません。実務書を読むとか、判例をよむとか、包袋記録を用意して議論するとかが考えられます。いずれにしても、今後は参加者で相談し合いながらより効果的な学習法を探っていこうと考えています。

 次回以降も参加者を募集していきますので、興味のある方は是非ご参加ください。

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自主研修【クレームドラフティングスキル向上のための勉強会(第2回):名古屋市】

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 今月から始めました自主研修の第2回目を企画しています。
 先日弁理士会から告知されましたが、当ブログでも告知内容を掲載致します。第2回目からの参加でももちろん歓迎致します。既に数名の方に参加を表明して頂いており、第2回目から参加される方もいらっしゃいます。

 今回のお題はネットワーク関係です。第1回目の参加者の方から提案して頂いたお題です。ネットワークを介して複数の装置が連携する場合にどのような戦略で請求項を立てるべきか、といったあたりが議論の対象になりそうですね。

 参加希望を表明していただいた方は電子掲示板に招待致します。お申し込みの際には参加を希望する旨とご自身のメールアドレスとを記載したメールを下記宛先に送信してください。サンプル明細書は自主研修開催日の1ヶ月ほど前に電子掲示板にアップロードしますので、参加者は電子掲示板を通じてサンプル明細書をダウンロードしてください。
 クレーム案は開催日の3日前までに電子掲示板にアップロードしてください。参加者は一通り目を通した上で討論会にご参加ください。
 電子掲示板には当日の議論の内容も随時書き込んでいきます。後日、議論の内容を確認したり、検索したりできるようにすることを目的にしています。

 開催日時は平日夜を想定しており、可能な限り2ヶ月に1回程度のペースで続けたいと考えています。

 第2回研修会は以下の予定です。
●日時
2018年10月19日(金)18:30~20:30頃 
●場所
弁理士会東海支部
●サンプル明細書
ネットワークに関連した技術
●メール宛先:岩上アットマークを小文字のアルファベットに置換してください(ウェブサイトのcontactからお申し込みいただくことも可能です)。
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第1回自主研修

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 以前から企画していました自主研修が終了しました。合計6名の弁理士で研修を行いました。企業内弁理士3名、事務所所属弁理士3名でした。当日は、サンプル明細書から作成したクレーム案を題材にして全員で議論を行いました。主に、構成要件の決め方、発明名称の決め方、クレームを作成する際に意識すること(意識して避けること等)、カテゴリ毎の工夫、特定の文言を使うときのコツなどを議論しました。今回は最初でしたのでクレームの具体的な表現について深い議論をするよりも、クレーム作成の基本姿勢について各人の考え方を共有することを意識して議論を進めていきました。
 自身のスキルを向上させたいという意識を持った弁理士が集まっていますので、活発に議論できましたし、貴重な情報を共有できました。また、私自身は今後も継続していきたいと思えるような内容の議論ができたと考えています。議論の内容は、参加者が閲覧可能な電子掲示板にアップロードしていきます。数年後にはこの掲示板が価値のある知識データベースになるように運用していきたいです。
 次回以降は、もう少し個別のクレームの内容について深い議論を進めていきたいと考えています。次回以降も参加者を募集していきますので、興味のある方は是非ご参加ください。

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自主研修【クレームドラフティングスキル向上のための勉強会:名古屋市】

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 自主研修を企画しています。
 今回は弁理士会の自主研修のスキームを使わせていただいています。先日、参加者募集の告知が行われましたが、おかげさまで数名の申し込みをいただいています。弁理士会の広報の力をお借りして良かったです。このブログでも告知内容を掲載致します。興味のある方がいらっしゃいましたら是非ご参加ください。

 当研修では、弁理士のクレームドラフティングスキルを向上させることを目指しています。
 特許クレームのドラフティングスキルが多くの弁理士にとって最も重要なスキルであることに疑いはないと思います。
しかしながら、日々の業務において、クレームの質や書き方等を振り返ったり、他の弁理士の意見を聞いたりする機会は意外に少ないのではないでしょうか。
 特に、一定の経験がある方や、議論が発生しにくい環境にいらっしゃる方、知人の弁理士が少ない方などにおかれましては、クレームの質を向上させる機会を設けたくても難しいと思います。
 そこで、今回、クレームドラフティングスキルを向上させるための自主研修会を企画致しました。
 基本的には、予め用意されたサンプル明細書に基づいて参加者が討論会までにクレーム案を作成し、何人かのクレーム案を討論対象とします。討論対象のクレーム案の執筆者がクレーム案の作成意図等を発表した後に、各参加者が討論することでクレームの質を向上させるためのアイディア、テクニック、多面的な視点等を共有したいと考えています。批判し合うのではなく、建設的な提案をし合う同僚、友人のような関係を目指したいと思っています。

 技術分野は限定しませんが、初回は自動運転関係の明細書をサンプル明細書にします。参加希望を表明していただいた方には事前にサンプル明細書をお送りしますので、お申し込みの際には参加を希望する旨とご自身のメールアドレスとを記載したメールを下記宛先に送信してください。クレーム案は開催日の3日前までに下記宛先に送信してください。送信していただいたクレーム案は、開催日の2日前に参加者全員に配布します。参加者は一通り目を通した上で研修会にご参加ください。
 開催日時は平日夜を想定しており、可能な限り2ヶ月に1回程度のペースで続けたいと考えています。

 第1回研修会は以下の予定です。
●日時
2018年8月3日(金)18:30~20:30頃 
●場所
弁理士会東海支部
●サンプル明細書
自動運転関係
●メール宛先:岩上アットマークを小文字のアルファベットに置換してください(ウェブサイトのcontactからお申し込みいただくことも可能です)。
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「特許審査ハンドブック」の改訂

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 2018年3月に特許・実用新案審査ハンドブックの改訂が公表されました。
 主に、コンピュータソフトウェア関連発明の審査基準の改訂とそれに伴う審査ハンドブックの改訂が行われたようです。
 特許庁のウェブサイトには改訂ポイントがまとめられています。
http://www.jpo.go.jp/shiryou/kijun/kijun2/pu-kijun_kaitei_h27.htm

 審査ハンドブックの付属書Bに関する今回の改訂で私が注目した点をメモしておきたいと思います。
●付属書B第1章2.1.1.2
 留意事項(iii)には、「請求項に、使用目的に応じた特有の情報の演算又は加工が記載されている場合には、ハードウェア資源として「コンピュータ(情報処理装置)」のみが記載されている場合であっても、、、ハードウェア資源とソフトウェアとが協働した具体的手段が記載されていると解釈される」という趣旨の記述があります。要するに、処理が具体化されていれば、請求項にハードウェア資源としてコンピュータを登場させることでコンピュータソフトウェア関連発明として認められると考えて良いようです。これは、実務家の感覚としては当然で、以前の審査基準に書かれていた例のようにCPUやメモリ等を登場させることに違和感がありました。コンピュータを登場させずに、どのように請求項を書くのか考えることはありましたが、CPUやメモリ等を請求項に登場させようと考える実務家は少なかったのではないでしょうか。いずれにしても、今回の留意事項(iii)によれば、「コンピュータ+具体的な処理」で「ハードウェア資源とソフトウェアとの協働」を表現できることが明示されたため、この書き方にしておけば無用な拒絶を受けないことは確認できました。

●付属書B第1章2.1.2
 例1の(説明)において、請求項の「末尾に「キャラクタ」と記載されていても「データ」であることは明らかである。」と記述されています。特許庁としては、データ構造クレームの末尾が「キャラクタ」となっているような「データ構造」クレームを作成可能と考えているようです。

●付属書B第1章2.2.3.3
 ここでは、いくつかの例について進歩性が肯定又は否定される例が説明されています。例1,2,4,5が人工知能関連の技術でした。
・例1
 請求項:鋳造された鋼片を再加熱した後に、圧延、冷却して製造する鋼板の溶接特性を予測する方法であり、鋼の成分及び製造条件を入力値とし、ニューラルネットワークによって鋼板の溶接特性を推定する
 主引用発明:鋼の成分及び製造条件の実績値を入力値とした数式モデルを用いて鋼板の溶接特性を予測する方法
 副引用発明:所定の入力値を用いてニューラルネットワークモデルによってガラスの材質を推定する方法
・例2
 請求項:心筋断面の心筋壁を小領域に分割した画像を入力し、ニューラルネットワークによって壊死心筋組織を含んでいるか否かを判定する
 主引用発明:心筋断面の心筋壁を小領域に分割し、小領域の画像から各小領域に壊死心筋組織を含んでいるか否かを小領域の画像の平均濃度により判定するシステム
 副引用発明:画像を小領域に分割し、当該小領域に対して所定の特徴の有無を判定するように学習させたニューラルネットワーク
・例4
 請求項:内燃機関の振動センサで検出した振動検出信号を入力値としたときニューラルネットワークから出力されるシリンダ内圧推定信号をシリンダ内圧とみなす内圧検出方法において、学習時及び学習後の入力値のサンプリングレートを内燃機関の回転速度に応じて変更する
 引用発明:学習時及び学習後のサンプリングレートを一致させることは特定するものの、内燃機関の回転速度に応じて変更することは特定しない
・例5
 請求項:加熱炉内の圧力のデータと、煤煙の温度のデータと、煤煙中のCO2濃度及びO2濃度のデータとをニューラルネットワークの入力データとして煤煙中のNOx濃度を推定する
 引用発明:煤煙の温度のデータと、煤煙中のCO2濃度及びO2濃度のデータとを入力データとすることは特定するものの、加熱炉の圧力データを入力データとすることは特定しない

 結論としては、例1,2において進歩性なし、例4,5において進歩性ありとなっています。
 例1,2では、主引用発明と副引用発明との間で課題が共通、機能又は作用も共通であり、有利な効果や阻害要因は存在しないとされています。この前提のもとで、主引用発明と副引用発明とを組み合わせることができ、当業者であれば容易に請求項に想到するというロジックです。例1,2では、主引用発明と副引用発明とを組み合わせると請求項と同等の構成になりますので、進歩性が否定されるのは当然ですね。主引用発明と副引用発明との組み合わせがこれほど請求項と一致していれば進歩性がないのも当然であり、人工知能特有の論点があるというわけでもありません。
 ただし、例1,2においては、ある入力値をニューラルネットワークに入力して特定の特性を推定するという点を権利化する請求項となっており、私自身は、以前も述べましたようにこのような請求項が人工知能関連技術の権利化において有効であると考えています。ブラックボックスの部分ではなく、侵害特定容易な部分を請求項にすべきと思うからです。例1,2は、主引用発明と副引用発明の組み合わせが請求項そのものでしたが、多くの場合は、主引用発明と副引用発明の組み合わせと請求項との間に僅かであっても差異があると考えられます。差異があるならば、この差異によって生じる効果が引用文献から予想できない効果であるといえるように請求項を作成することで、進歩性ありとされる可能性を高められると考えます。
 例5は、まさにこの例と言えますね。請求項においては、圧力のデータをニューラルネットワークに入力しますが、引用発明では圧力のデータを入力データとすることは特定していません。このように、入力データの内容が先行技術と異なれば、その点で進歩性を獲得する可能性があります。従って、人工知能関連技術の権利化実務においては、入力データに特徴があるか否かを明らかにし、特徴があるならば請求項とするという作業が重要になると考えられます。
 なお、例5の場合、発明者さんは機械学習に関する技術のみを発明したのでしょうか。私は、この場合においてより広い権利の確保を検討すべきと考えています。例えば、例5であれば、加熱炉内の圧力のデータと、煤煙の温度のデータと、煤煙中のCO2濃度及びO2濃度のデータとを入力データとし、煤煙中のNOx濃度を出力する数式モデル等の発明を完成させることが可能かもしれません。つまり、機械学習の発明においては、機械学習を使って入出力関係を明らかにしたが、入出力関係が明らかになった後には、機械学習を使わなくてもこの関係を自然界に適用可能である場合があり得ます。私は、このような発明の権利化も常に視野に入れておくべきと考えています。機械学習のみですと権利としては狭いですし、侵害特定も容易ではないと考えるからです。

 例4は、ニューラルネットワークへの入力値をサンプリングする際の工夫を請求項で表現しており、引用発明には同等の工夫が見られないという例です。ニューラルネットワークに対する入力値と、ニューラルネットワークからの出力値とが公知である場合、入力や出力のみに着目した請求項で進歩性を獲得するのは当然困難になると考えられます。この場合、例4のように、入力データの準備として工夫した点など、入力値自体と異なる要素に着目して権利化するのも一つの良い実務になると考えられます。特に、CNN(Convolutional Neural Network)などにおいては、多くの場合、入力データのフォーマットが単なるRGBデータであり、特徴のない画像データであるという状況であると考えられます。このような場合、入力データの加工や出力データの解釈などにおける特徴を探さざるを得ないことは多いように思えます。人工知能関連技術を権利化する際には、検討すべき方向性として常に念頭に入れておくべきと考えられます。

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SEATTLEで考えたこと。

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 先日参加したINTAのミーティングにおいて、私の主な仕事は人に会うことでした。大半は弁理士です。会場で名刺交換をしたり事務所を訪問したり。
 そんな中、データサイエンティストの方とお話しさせて頂く機会がありました。この方は、AIの開発に携わっており、データさえあれば何でも学習できるという主旨でお話しをされていました。AIに明細書は書けると思うか?と聞いてみたところ、「データさえあれば」確実にできるということでした。例えば、クレームから明細書を作成するとか、発明提案書から明細書を作成するとか、そういうことが可能であると考えていらっしゃるようです。
 また、INTA期間中には夜も人と会う機会がたくさんあり、お酒を飲みながらたくさんの人に会ってきたのですが、その際、明細書の自動作成AIを開発している企業があるという話も聞きました。現在の所、使えるアウトプットが得られるものにはなっていないという話でしたが、世界中で明細書の作成を自動化するための開発を行っていると仰っている方もいました。


 私自身は、以前も書きましたように、「データセットを用意することが不可能」であるため、弁理士の仕事を代替可能なAIを近い将来に開発するのは不可能と考えているのですが、明細書の作成を支援するAIなら開発できるかもしれないとも考えています。例えば、特定のクライアント様の明細書を書く際に、装置の基本構成などを既存の明細書から流用し、適切な表現となるように修正する「作業」を行うことがありますが、このような「作業」であれば「正解」と見なして良い文書が存在し得るため、データセットを用意することも不可能ではないように思えます。従って、このような「作業」を行うAIであれば機械学習によって開発できるように思えます。もちろん、AIのアウトプットを適宜修正するのは必須になると思いますが、むしろ、「作業」を弁理士の代わりに実施してくれるAIがあるなら是非使いたいです。作業的な部分はAIに任せておき、クライアント様の個別の事情に合わせるべきクレームやクレームのサポート部分に注力できるようになれば、限られた時間で作成できるクレームや明細書の品質を高められるように思えます。10年後には我々の業界も今とは仕事の内容が大きく変わっているかもしれませんね。

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INTA Annual Meeting に参加してきました。

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 INTA Annual Meeting が開催されていたシアトルから戻りました。シアトルに行ってみてホテルの多さに驚きました。今回のINTAでは11000人程度の登録者がいたそうですが、十分収容可能です。名古屋で同規模のイベントが開かれることを想像しましたが、ホテルの数や国際会議場の規模からしてとても無理のように思えました。

 さて、INTAでは参加者のメリットの一つとしてnetworkingが挙げられています。確かにnetworkingの機会はたくさんあり、非常に効率的に知人を増やすことができたように思えます。

 私は今回観光をすることなく戻ってきたのですが、合間にやってみたかったことがあります。日本では使えない技術を使ってみたかったのです。AMAZON GOとUBERです。
 AMAZON GOは、自分が手に取ってバッグに入れた商品をトレースしており、退店後に各商品をチャージしてくれるサービスです。内容は聞いていましたが実際に使ってみるとやっぱり驚きます。カメラもほとんど見えない(気にならない)ように配置されており、いったいどうやっているのだろうと思わずにはいられません。私は最初に商品を紙袋に2つ入れ、そのあと手提げ袋があることに気づき、紙袋と他の商品を手提げ袋に入れたあと退店しました。そういうややこしい行動をしてもしっかり正確にチャージされていました。AIで商品とピックアップした人を特定しているとのことですが、大変すばらしい技術ですね。この技術のようにレジ打ちという業務自体をなくしてしまう技術こそイノベーションと呼ぶにふさわしいように思えました。AIが人の仕事を奪うという懸念が議論されるのも無理はないと実感しました。
 UBERは非常に便利でした。今回の滞在中、少し遠い場所に行く際にはすべてUBERを使いました。行きたい場所を入力すると、その付近にいるドライバーがその仕事を受託し、多くの場合2,3分で迎えに来てくれます。日本にいるときには、タクシーの配車と何が違うのかと思っていましたが、全く違います。使い勝手が。日本だと配車の打診から10分以上待たされることはザラですし、配車を頼んでもその場所だと「今タクシーが近くにいなくてあと20分ぐらいかかります。」などということもよくあります。現状のタクシーだと需要の変化に応じて柔軟に車の数を増やせないので無理はないですよね。UBERなら需要がない地域ではドライバーが減ると思われますが、需要のある地域ではドライバーが増えると思われますので、仕組みからしてUBERの方が圧倒的に需要に応じたサービスが提供しやすく、そこに価値を感じるユーザにとっては非常に高品質のサービスと言えます。このレベルのサービスが安定的に提供されたら多くの人にとって手放せないサービスになるでしょうね。アメリカでは実際、そうなっているように思えました。
 帰国の道中で調べてみたところ、日本でもUBERのサービスは始まっているようでした。そこで早速、駅から自宅までの配車に使ってみました。。。。結果、「この地域ではサービスを提供しておりません」とのこと。ああ、やっぱり。需要がないからサービスが提供されていないのか、サービスが提供されていないから需要がないのか分かりませんが、使えませんでした。なお、UBERが使える地域でも、日本で配車可能なのはハイヤーだけだとか。それって、、、もうUBERじゃない。
 AMAZON GOにしてもUBERにしても、日本で最新技術が体験できないのはいつ頃からなのでしょうか。規制によってイノベーションが阻害されているのであればそれはとても不幸なことです。次世代の人々に住みやすい国を継承していくために必要なことがたくさんあると感じます。

 

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INTA Annual Meeting に参加してきます。

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 明日(5/18)からINTAのAnnual Meetingに参加するため、海外出張に出かけます。2年ぶりの海外出張なので非常に楽しみです。私は若い頃バックパックを背負っていろいろな国を旅したことがありまして、その頃を思い出すからなのか、今でも海外に行くと自分の中のスイッチが切り替わるように感じます。少しテンションが上がってしまうんです。Annual Meetingでは上がってしまったテンションを利用してたくさんの方と話をしてこようと思っています。長期的に信頼関係を築けるような良い出会いがあると良いのですが。。。

 

 さて、昨日の日経新聞にこのような記事が載っていました。
ゲーム業界特許ラッシュ紛争過熱の弊害懸念も
 過去10年で特許出願件数が減少してきた業界に身をおく者としては、久々に注目したくなるニュースです。ゲーム業界では注目すべき訴訟がいくつかありますので、そのベースとなる特許出願の件数が増えるのも当然でしょうか。記事では特許件数の増加によって自由な開発の障害になるという懸念にも触れられていましたが、各社は自己の事業を確実に守るために知財を準備すべきですから近い将来に出願件数が少なかった過去の時代に戻ることはないように思えます。
 多くの日本企業はライセンス交渉を通じて訴訟まで発展させないように活動しているように思えますが、そうだとしても交渉のベースになる知財を獲得しておかなければ交渉できませんので、知財を戦略的に獲得するのはとても重要ですね。
 いずれにしても、特許業界人としては、早期に戦略的に特許を取得した企業の活動が阻害されず勝ち残るようになってほしいと願います。知財を軽視する企業が勝ち残る世界は良い世界ではないように思えるのです。
 今回のゲーム業界の訴訟は、当事者の方々にとっては非常に大変なことと思いますが、結果が出れば、どのような場合に交渉すべきなのか、どのような知財が守られるのか、など、いろいろな実務の知識を特許業界で共有できるようになると考えられます。この意味で、今回のゲーム業界の動向は非常に興味深く、今後も注視していきたいと考えています。

 

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