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SEATTLEで考えたこと。

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 先日参加したINTAのミーティングにおいて、私の主な仕事は人に会うことでした。大半は弁理士です。会場で名刺交換をしたり事務所を訪問したり。
 そんな中、データサイエンティストの方とお話しさせて頂く機会がありました。この方は、AIの開発に携わっており、データさえあれば何でも学習できるという主旨でお話しをされていました。AIに明細書は書けると思うか?と聞いてみたところ、「データさえあれば」確実にできるということでした。例えば、クレームから明細書を作成するとか、発明提案書から明細書を作成するとか、そういうことが可能であると考えていらっしゃるようです。
 また、INTA期間中には夜も人と会う機会がたくさんあり、お酒を飲みながらたくさんの人に会ってきたのですが、その際、明細書の自動作成AIを開発している企業があるという話も聞きました。現在の所、使えるアウトプットが得られるものにはなっていないという話でしたが、世界中で明細書の作成を自動化するための開発を行っていると仰っている方もいました。


 私自身は、以前も書きましたように、「データセットを用意することが不可能」であるため、弁理士の仕事を代替可能なAIを近い将来に開発するのは不可能と考えているのですが、明細書の作成を支援するAIなら開発できるかもしれないとも考えています。例えば、特定のクライアント様の明細書を書く際に、装置の基本構成などを既存の明細書から流用し、適切な表現となるように修正する「作業」を行うことがありますが、このような「作業」であれば「正解」と見なして良い文書が存在し得るため、データセットを用意することも不可能ではないように思えます。従って、このような「作業」を行うAIであれば機械学習によって開発できるように思えます。もちろん、AIのアウトプットを適宜修正するのは必須になると思いますが、むしろ、「作業」を弁理士の代わりに実施してくれるAIがあるなら是非使いたいです。作業的な部分はAIに任せておき、クライアント様の個別の事情に合わせるべきクレームやクレームのサポート部分に注力できるようになれば、限られた時間で作成できるクレームや明細書の品質を高められるように思えます。10年後には我々の業界も今とは仕事の内容が大きく変わっているかもしれませんね。


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