自作サイクルコンピュータをアップグレードしました。
以前はホール素子でホイールの回転を検出していましたが、有線接続だとスマートではないと思い、BLE(Blue Tooth Low Energy)で無線化しました。
無線化のために、回転検出センサを変更しました。センサとしてはいろいろ採用し得るのですが、IMUを買っておけばなんとかなると思いまして、arduino nano 33 BLEを購入しました。arduino nano 33 BLEには、加速度センサ、ジャイロセンサ、温度センサなど、いろいろなセンサが搭載されています。他にも選択肢はありますし、ちょっとオーバースペックな気もするのですが、技適を満たすシンプルなデバイスを探すのが難しく、arduino nano 33 BLEに落ち着きました。加速度センサか、ジャイロセンサを使えばホイールの回転を検出できるだろうということで。
表示デバイスとしてもいろいろとあり得ますが、普段使っているandroidスマートフォンに速度を出力させることにしました。
以前使っていたLCDだと屋外で文字が読み取れないので。。。
ホイールのハブにarduinoを取り付け、ホイールの回転を加速度で検出し、ホイールの周長と1回転に要した時間から自転車の速度を算出する方式で試作したところ、うまくいきました。
びっくりするほど簡単に開発が完了してしまいました。速度をBLEで送信するためのプロトコルを学習するために多少の時間がかかりましたが、arduino側のプログラムは数日で完成しました。arduinoの開発環境で使えるサンプルが公開されているので、サンプルのコードを1行ずつ理解する作業を繰り返したところ、速度計のアルゴリズムをコーディングすることができました。
今回の構成において、スマートフォン側では受信した速度を表示させるだけなので、スマートフォン側のプログラムは極めて単純なもので充分です。そこで、スマートフォン側のプログラムはjavascriptで書いています。こちらも、javascriptを使ってBLE通信させるために少し学習が必要になりましたが、ネット上のサンプルプログラムを少し修正することで速度を表示させることができました。
arduinoは以下のようにフロントホイールに取り付けました。
arduinoがむき出しでは不安なので、arduinoと電池は、さらに梱包材でカバーしました。arduinoへの給電はUSBケーブルを使ったので、以前作成したレギュレータを流用しました。ところが、単3電池2本を使うため、結構大きく、全くスマートではありません。せっかく無線化したのに電池がこんなに大きくては台無しですね。。。
ちょっと映り込みがひどくて見づらいですが、速度計はこんな感じで、androidスマートフォンに速度のみを表示する形式になっています。写真は、フロントホイールを持ち上げて少し回して速度を7km/hにしています。
この速度計を使って少し走ってみましたが、概ね、妥当な速度を出力しているように思えました。自作したデバイスとともに走るとちょっとテンションUPですね。
今回、電子工作によっていろいろなデバイスを作成するのはとても簡単であることを知りました。
「やりたいこと」が明確であれば、大概の機能は、インターネットを使って実現方法を調べることができます。
サイクルコンピュータの自作は、自作過程でいろいろな技術を学習するつもりで取り組んでいるのですが、あまりに簡単に完成してしまったので、学習の機会としてはちょっと物足りなかったと感じています。より深く学習するためには、これをきっかけに本を読んだり、他のデバイスを作成したりすることが必要と感じました。デバイス間通信をするためのSPIやIICに触れてみたかったのですが、今回はBLEを使ったのでSPIやIICを直接的に使う機会がありませんでした。これらの学習は別の機会ですね。
一方で、世の中に出回っている各種のプロダクトは、とても完成度が高く、価値があることに、改めて気づきました。
今回自作した速度計は、上述したように、無線で通信しますが、電池がでかすぎたり、ケーブルがホイールに巻き付いていたりして、全くスマートではありません。デバイスむき出しでは事実上、使えません。
世の中に出回っている速度センサやケイデンスセンサ、これらを用いるサイクルコンピュータは、とてもコンパクトで多機能です。そのようなデバイスを自作するのはとても難しい。自作する際の学習コストや部品のコストを考えると、世の中に出回っているサイクルコンピュータの価値がとても高いことに気づかされます。これはサイクルコンピュータに限らず、どのようなデバイスでも言えそうですね。
最近、自転車でロングライドするために、サイクルコンピュータやサドルバッグなど物色していますが、その際、ついつい、自分の予算とプロダクトの価格を比較して予算内で購入できるようにプロダクト選択しがちです。でも、このような物の選び方を少し考え直すべきかなと思うようになりました。プロダクトの本来の価値、自分にとっての価値を考えて、必要なら予算を増やすとか、予算が増えるまで購入を少し先送りするとか、これらを選択肢として考えるべきのように思えました。各種プロダクトは技術者さんが開発コストをかけて開発しているのだから、そして、それを自分で実現するのはほとんど不可能なのだから、、、価格だけではなく、物を手に入れることで私自身が手にする価値をもっと考えたいですね。
○イチ。
サイクリングを始めるとすぐにこのワードに遭遇します。
あるランドマークを一周することを○イチと呼ぶんだぞと。琵琶湖ならビワイチとか。
で、私も多くの自転車乗りと同様、○イチに魅力を感じてしまうのです。不思議なもので。
と言うわけで浜名湖一周してきました。
今回は、クロスバイクからロードバイクに乗り換えるか否かを検討するための一要素とすべく、ロードバイクをレンタルしてハマイチしてきました。
ロードバイクのポジションはクロスバイクよりもつらそうですし、後方確認もしづらそうなので、そのあたりも実際に走って確認してきました。結果、ロードバイクもありだなと思うようになりました。ポジションは心配するほどつらくなかったですし、後方はクロスバイクより見づらいものの、だからといってロードバイクを避ける理由にはならないと思えました。
浜名湖一周は70km弱あるので、道中、いろいろなことを経験できました。
当然ですが、やはりクロスバイクよりもロードバイクの方が、平均時速が速くなりました。これは魅力ですね。ハンドルから手に伝わってくる振動はロードバイクの方が大きいように思えました。このあたりは車体によっても違うと思いますが。クロスバイクとロードバイクでは、筋肉痛になる部分が違いました。日焼け止めは必須です。
あと、サイクルコンピュータは必須のように思えました。。。。こうやって少しずつ自転車沼に嵌まっていくのでしょうか。
次はどこに行こうか検討中なのですが、実は先日、今乗っているクロスバイクのフリーホイールが壊れてしまいました。逆回転しない。ホイールを丸ごと買い換えるのはちょっともったいないような気がして、フリーボディのみを交換しようと思っているのですが、調べてみるとフリーボディのみを交換するのって結構難しいようです。ハブに合うフリーボディを手に入れるのが難しい。。。。
これは、これはもしかするとロードを買ってしまえと言う啓示なのでしょうか。。。
前回の更新からずいぶんとたってしまいました。
ここのところ少し忙しくしており、更新が先延ばしになっています。いつものことではあるのですが、完全に停止しないように細々と続けていきます。判例研究もアップロードできるようにまとめて更新しなければいけません。
先日、長めのサイクリングをしてきました。
名古屋→岐阜羽島→養老青柳→養老線で移動→桑名→名古屋
といったルートです。自走距離は80km程度です。
岐阜羽島に自転車カフェができているのを発見しましたので、ちょっと覗いてみようかなと思いまして。加えて、以前から興味があったサイクルトレインに乗ってみたくて養老線に乗れるルートを選びました。
たった80km程度の移動ですが、やはり旅行はいいですねえ。日帰りでも充分にリフレッシュできました。それに加えて、自分のサイクリングの方向性も確認できました。
今回のコースでは、木曽三川を越え、山が近くなってきたあたりから、だいぶ気分が変わりました。都会の道路は交通量が多いですし、周囲の景色はどこも大して変わらないのでどうしても移動のために自転車を漕いでいるという側面が強くなってしまいます。でも、周囲の景色に緑が増えてくると、気分もだいぶ違ってきます。
そんなわけで、自分の嗜好としては
家でリラックス<都市部をロングライド<<<<自然豊かな地区をロングライド
と言うことが分かりました。
そうすると、私のサイクリングスタイルとしては、都会の移動は車または輪行ですっ飛ばし、目的地周辺でロングライドするスタイルが良いのだろうなと思います。例えば、ビワイチするなら、全て自走するのもよいですが、米原当たりまで車または電車で移動するのが良いのかなと。。。
次に備えて自転車を車または電車で運ぶための方法を物色中です。
ロングライドしようと思うと、クロスバイクからロードバイクに乗り換えるべきだなと、思い始めます。今のところ、最先端技術を追求してらっしゃるcannondaleか、デザインに一目惚れしたcanyonかどちらかになりそうです。コンポーネントも無線式にするのか従来方式にするのか悩み中です。しばらく楽しみながら物色していこうと考えています。
第1回目で速度計を試作しました。
今回は、試作した速度計を自転車に取り付けてみました。
ガムテで取り付けただけです。
家の周囲の数ブロックを走ってみましたが、期待通りに機能していました。
ホール素子と磁石との距離が遠すぎるのではないかと心配しましたが、ひとまず正常に動作しました。
クランプ等を利用して、ホール素子と磁石を強固に取り付けてもよいのですが、、、
やっぱり現状の構成はいまいちです。
まず、フロントフォークに取り付けたホール素子とハンドルに取り付けたarduinoとを有線で接続するのはスマートではない。
ホール素子と磁石が近いので、振動でホール素子がずれると磁石に接触して破壊されるおそれがある。
LCDが屋外で見えない。
などなど。。。ま、本当は最初からわかってたんですけど。
速度計を実際に組み上げることはできましたので、これからは、もう少しスマートに実現する方法を考えようと思っています。
まずは、無線化から。ホール素子以外のセンサの使用も検討します。
サイクルコンピュータの自作を少しずつ始めています。
まずは、速度計を作ってみようと思っています。車輪の回転を検出し、ディスプレイに表示し続ける。これだけ。実現方法はいろいろありそうですが、まずは
arduino
回転検出センサ
ディスプレイ
これだけで組み上げてみようと思います。
回転検出センサは、とりあえずホールセンサにしました。車輪の1カ所に磁石を取り付け、ホールセンサをフロントフォークに取り付け、車輪の回転を検出し、1回転に要する時間を計測します。で、車輪の周長から1回転の距離を算出し、距離/時間で車速を出そうとしています。
スペックが決まりましたので部品の購入です。ネットでいろいろと調べると、seeed studioという中国の会社にたどり着きました。電子工作界では有名だそうです。この会社は、groveというシリーズの部品を販売しており、このシリーズであれば、arduinoに取り付けたbase shieldというインタフェースにコネクタを接続するだけで適切なピンに部品を接続できます。ホールセンサも、ディスプレイもこのインタフェースを使えば半田いらずでとても楽に取り付けできます。なので、この会社に注文しましたところ、先日届きました。深圳から12日程度で届いてしまうのでとても便利です。
grove規格の部品を使って速度計を仮組みしてみました。私は、知識の吸収のために電子工作をしているのですが、grove規格の部品があまりに簡単に動作するので、勉強のためには不向きかもしれません。例えば、ディスプレイは、コネクタに接続し、ウェブサイトで公開されているサンプルプログラムを読み解けば、すぐに動作させることができます。このディスプレイはI2Cでarduinoとディスプレイが通信するのですが、I2Cについて全く知らなくてもarduino IDEでプログラムを書けば所望の表示が得られます。I2CやSPIなど、一度は経験に基づいて学習しておきたいので、別の機会を設けて学習したいと思っています。
サンプルプログラムを使えば、ホールセンサの検出結果の利用もとても容易です。というわけで、机上ではあっという間に速度計を仮組みすることができました。
ホールセンサに磁石を近づけると割込が発生し、1回転とカウントし、カウント結果に基づいて計算した車速がディスプレイに表示されました。
問題は、自転車への取り付けです。手持ちの磁石では、ホールセンサで検出可能な距離が2cm程度しかないため、かなり強力な磁石を用いるか、ホールセンサと磁石の距離をかなり近づけるかしないと動作しそうにありません。後者の構成は、振動によってセンサの位置がずれ、スポークに巻き込まれるようなことが発生し得るため、できるだけ避けたいと考えています。磁石やホールセンサをうまく取り付けるための仕組みも考えないと行けません。3Dプリンタがあれば専用品を作れると思いますが、あまりそちら方面の沼に近づくのも危険なのでよく考えないといけません。
今後も少しずつ進めていこうと考えています。
テレビゲーム関連の特許の統計をまとめてみました。
FIをA63F13/00に限定して検索し、出願人毎に年間の件数を集計しました。件数は、公知日が属する年毎にカウントしてあります。A63F13/00は、ソフトウェア寄りの案件の抽出を念頭にしています。ハードウェア用の技術はあまり含まれていません。ハードウェア用の技術を含めると、ソニーさんはとても件数が多くなります。各社さんの業態が違いますので、同じ土俵での比較にはなっていないかもしれませんが、ざっくりと動向を知ることはできるかなと思っています。
図1は集計結果です。企業別に、年間の件数を棒グラフで示しています。積み上げグラフなので棒の全長で10年間の総件数を比較できます。
検索し、集計すると、いろいろなことがわかりますね。
まず、コナミさんの存在感。他の企業さんと比較して突出して特許出願の件数が多いのですね。知財を重視されていることがよくわかります。
上位3社は、特定の時期に件数が増加しています。コナミさんは2013,2014年。グリーさんは2014~2016年。コロプラさんは2017~2020年。おそらくは、有名な訴訟の当事者なので、訴訟を受けて出願戦略を立てた結果、攻撃、防御のために選択肢を増やしたと言うことなのでしょうね。カプコンさんが2019年~2021年の出願を多くされているのも同様の理由でしょうか。
多くの企業さんで10年前よりも近年の方が、件数が増加する傾向にあります。近年、ゲーム業界では、大きな特許訴訟が結構な頻度でありますので、各企業さんで対策を打っていると言うことでしょうか。
最強の知財部として名高い任天堂さん。件数は意外と少ない。でも最強と言われている。。。数より質なのでしょうね。
検索条件に登録日ありとすると、登録された案件のみを検出できます。年毎の「登録件数/公知件数」を計算すると、2012以降、大半の企業さんは8割~9割の登録率ですが、5割~6割の登録率の企業さんや、近年、登録率が徐々に低下している企業さんもいらっしゃいます。登録された請求項の質が最も重要なので、登録率の高低が単純に質の高低とはいえませんが、投資を登録に結びつけることを重視するのか、件数を重視するのか、いろいろと企業さんの姿勢が垣間見られます。
最後に、全体を眺めて見ますと、特許出願件数の多寡は、売上の多寡とは必ずしも一致しないことがうかがえます。売上が大きいのはソニーさん、任天堂さん、コナミさん、スクウェア・エニックスさんですが、特許出願件数はコナミさん、グリーさん、コロプラさん、任天堂さんという順位になっています。他社に対向するための特許出願の件数は、自社の売り上げよりも、業界の動向、他社の特許出願件数に依存するでしょうし、訴訟などの個別の事情もあり、相対的に売上が小さい企業さんであっても、他社に対向するために件数を確保しなければなりません。あるいは、相対的に売上が小さい企業さんであっても、特許出願に投資すれば、大手の企業さんに対向できる存在感を持つことができると言えるかもしれません。このような事情はどの業界でも同じと思います。
今後は、有名な特許訴訟や明細書など、個別の事案も研究していこうと思っています。
みなさん、Cycle Around Japanってご存知でしょうか。
NHK World の番組らしく、BS4Kでもたまに放送しているようです。ネットで検索すればすぐにヒットします。動画をブラウザで視ることもできます。
この番組は外国の方向けに日本各地を紹介する番組で、毎回、自転車で各地を巡ります。
とても素晴らしい番組です。視ると旅に出たくなります。
最近はコロナウイルスの影響で、海外旅行にはなかなか行けませんが、国内で、しかもサイクリングならかなりリスクは低いですね。
日本の風景、文化、人、どれをとっても魅力的で、今まで私がいかに日本の魅力を知らなかったのか、気づかされます。海外に行けないなら日本国内で旅行をすれば良いではないか、いや、むしろ、先に日本国内を旅行しよう!と思います。
近場から、少しずつ、自転車で訪れてみようと思っています。
ほそぼそと、電子工作を続けています。
電子工作は、趣味であると同時に、マイコン制御を学習する機会を得るために続けています。が、ここまでは、思い出したときに半田ごてを握る程度でした。
昨日もいつものように、雑誌等で見つけた題材を完成させるため、半田付けをしていたのですが、そのときに気づいてしまいました。自転車×電子工作なら魂が入るのではないかと。
先日来、自転車沼に嵌まっています。将来はサイクリングイベントにも参加したいと考えており、自分の体力を試しながら長距離のライディングにも出かけています。そうすると、当然、サイクルコンピュータがほしくなる。近いうちに購入しようと思っていたのですが、いや待てよと。自分で作れば良いのではないか?自分で作るのなら、電子工作にも沼的に嵌まれるのではないか?
で、調べてみました。arduinoやraspberry piを使ってサイクルコンピュータを作ることは可能なのか?
可能なようです。ネットで検索すると、実際に作ってしまっている猛者が沢山います。もしかしたら私にもできるかもしれません。私の場合は、決して製品レベルになる必要はないのです。工作を通じて学習できれば良いのですから。。。
実際に完成するかどうかわかりませんが、ちょっと踏み出してみようかと思っています。
明細書を読んでいて、小説を読むより楽しいと感じたことはありますか?
特開2018-110659公報。非常に楽しく読ませていただきました。
私の家族は、ゲームが大好きです。ボードゲーム、テレビゲーム、謎解き。一人ではなく、複数人で楽しめるゲームを家族で楽しんでいます。嵌まったゲームは沢山ありますが、たまに大ヒットがあります。ボードゲームなら「カタンの開拓者たち」、テレビゲームなら「splatoon 2」。
splatoon 2は、4人でチームを組み、インクを発射する水鉄砲のような武器でバトルするオンラインゲームです。私の家にはswitchが2台あり、家族でチームを組んでプレイしてました。戦略を相談しながらプレイするのがとても楽しい。先日、このゲームの続編、splatoon 3の発売日が発表され、非常に話題になっています。splatoon 3は、特許についても少し話題になっていました。ゲーム内で参照できるマップの見やすさを改善する技術に関するUS出願がツイートされたとか。splatoonファンとしては、確認しないわけにはいきません。このUS出願の基礎、特開2018-110659を読んでみました。
とても楽しく読ませていただきました。発明の対象が好きなものだとこんなにも明細書を読むのが楽しいのですね。内容は、ゲーム中に表示可能なマップに関する技術で、
・俯瞰マップにおいて、プレイヤが立体構造物に隠れている場合と隠れていない場合で、表示態様を変える
・俯瞰マップにおいて、立体構造物の上方に塗られたインクを、下方に塗られたインクより明るく表示する
・俯瞰マップにおいて、マップを表示するための視点となるカメラを移動させることができる
などが、請求項に含まれています。
明細書には、これらの他にも、「スーパージャンプ」の際のジャンプ先の選び方や、坂の面に傾斜方向に垂直な線を入れることで斜面に見えるようにする工夫などが開示されています。明細書に「スーパージャンプ」なんて書かれていると、なぜかうれしくなってしまいますね。
フローチャートは、1フレーム内に操作受付、キャラクタの移動、攻撃の発射制御等の各処理を行い、1フレームの処理を繰り返すような流れになっていました。ゲームを作成することでプログラムの勉強をしていたとき、リアルタイムゲームを作るときの典型的な処理の流れとしてこういうタイプのフローを学習したことを思いだしました。
明細書は楽しく読ませていただきましたが、この明細書の技術、splatoon 2ですね。一部、splatoon 2に採用されていない内容が含まれるように思えましたが、上述の技術はsplatoon 2に使われています。出願日が2017/1/10で、splatoon 2の発売日は2017/7/21ですから、splatoon 2のための出願と考えるのが妥当ですかね。手元のswitchでsplatoon 2を起動し、マップを確認してみましたが、請求項で述べられていた事項は、全てsplatoon 2で実現されています。インクの明るさ等は今まで気づいていませんでしたが、確かに、このような明るさの違いによって、高低差があることがよりわかりやすくなりますね。
splatoon 3の技術を発売前に垣間見られることを期待して明細書を読みましたが、残念ながら、違ったようです。でも、明細書を読むこと自体は楽しかった。こんなに楽しく読めるなら、他の明細書も読んでみようと思います。明細書に限らず、ゲーム関連の特許について、判例の研究をしてみようとも思っています。
自転車の技術を少しずつ学習しています。書籍、雑誌も読みますが、やはり私は弁理士ですので、特許公報も読みたくなります。私は、コンポーネントを交換しながら今の自転車に可能な限り長く乗りたいと考えています。交換に際してそれぞれのコンポーネントについて、学習しましたが、コンポーネントの基本は理解しつつあるので、今度は特許公報を見ながら深く学習しようと考えています。まずは、コンポーネントメーカーの出願動向を調べてみました。
図1は、メジャーなコンポーネントメーカーとパナソニックについて、自転車関係の特許の公開件数を公知年別に集計したものです。出願人&IPC(B62)で検索しました。IPC のB62には自転車以外の車両も含まれますが、検索結果をざっと見たところ自転車関係が大半でした。図2は、図1の結果に登録日ありの条件を追加して集計したものです。
雑誌を読んだり、自転車屋さんで話をしたりしていると、コンポーネントの品質、ブランド力はシマノさん1強という印象がとても強いです。多くの自転車乗りはシマノ製品のファンだと思うのですが、やっぱり私もファンです。自分の自転車のコンポーネントは可能な限りシマノ製品にしています。圧倒的に安心感がありますからね。
シマノさん1強状態は、特許からも裏付けられました。カンパニョーロさんは、外国メーカーとしては日本で結構出願しており、一定の存在感がありますが、シマノさんの件数と比較すると控えめですね。日本の特許に関して、両者は互角ではないようです。
SRAMさんは日本でほとんど出願していないようです。もしかしたら検索方法が悪いかもしれませんが、google patentsでSRAMさんのUS出願を眺めていても、ファミリーに日本が含まれる出願は見当たりません。以上の簡単な検索のみから判断する限り、特許から見てもコンポーネントに関してシマノさんは敵無しのようです。
シマノさんの出願、登録は、2019年に突出して件数が増えています。強い意志が感じられますね。2019年に公知になった公報をいくつか眺めて見ました。どうやら、モータアシストのある自転車、電動コンポーネントや制御系の出願が多いようです。
2019年より少し前に自転車業界で何が起こっていたのか調べていたら、2019年前後の自転車業界の分析をしたこんな記事を見つけました。
激変する自転車部品業界でシマノを襲う二つの波
大変興味深く読ませていただきました。機械式の機構から電動式の機構への移行が進むと、従来と異なる業種と戦っていく必要があるようですね。新興国のメーカーや自動車コンポーネントメーカーとも競合していくかもしれません。上述の検索では、メジャーなコンポーネントメーカーのみについて調べただけなので、機会があれば、メーカーを限定せずに、自転車関連の特許検索をしてみようと思います。
どの業界でも各種の変化に対応していく必要があるのだと思いますが、特許公開件数を眺めていると、シマノさんは、他のメジャーなコンポーネントメーカーよりかなり先行しています。少なくとも特許に関しては日本国内において盤石の地位が維持できるように手を打っているように見えます。日本国内におけるブランド力、特許動向から考えると、当面は盤石、1強状態が続くと予想されますが、はたしてどうなるでしょうか。シマノ製品ファンの私としては、消耗品交換の際にシマノ製品を使いつつ、今後の業界の動向もウォッチしていこうと考えています。