Knowledge Partners 弁理士法人【名古屋の特許事務所】

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人口知能開発の疑似体験から考える特許化戦略1

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 モノ、コトのコストがものすごい速さで低下しているように感じます。私が学生の頃は、学習のためにまず良い本を探すところから始めましたが、良い本に巡り会うまでにやたらと時間コストがかかりました。今では検索すればすぐに良い本を見つけられますし、本を購入しなくてもweb上で良い情報を読むことが可能ですね(google先生ありがとう)。大学レベルの講義も多くのMOOCで無料ですので意欲のある人はいくらでも学習できますね。最近、私は人工知能関連技術の学習に注力していますが、ネットを利用することで極めて低コストで効率的に学習できたように感じます。ネット関連技術に感謝したい。

 私は弁理士ですので発明の権利化に興味がありますが、私自身は、一貫して技術を深く理解した後に権利化の戦略を考えるという立場で仕事をしています。そこで、人工知能関連の技術においてもまず技術を深く理解することが自分にとって極めて重要と考えています。深い理解のためには自ら開発するのが一番と考え、特定の目的を達成する技術の開発を疑似体験してみました。開発の疑似体験を通じて、人工知能関連技術の特許化戦略を検討することを目標にしています。まだまだ学習は継続しますが、とりあえず一区切りしましたので、何回かに分けて学習成果を記録しておこうと思います。
 開発の概要は以下の通りです。
・目標:特許明細書の特徴から特許明細書の執筆者を特定する人工知能の開発
・利用技術:ニューラルネットワーク
要するに、ニューラルネットワークについて私が学習するために、身近な特許明細書を題材にしたと言うことです。採用したニューラルネットワークは以下の図1の通りです。

図1

 弊所には弁理士が3人おります。各弁理士が執筆した明細書の公開公報を比べると、それぞれの明細書にそれぞれのスタイルがあるように思えます。そこで、各弁理士の明細書の解析結果を入力データとし、弁理士A~Cに対応する3個のノードを出力データとすれば、明細書の特徴を入力し、執筆者を出力するニューラルネットワークを開発できると考えました。
 出力ノードは各弁理士に対応させる(ノードの出力の最大値が執筆者の推定結果となる)と決まりました。あとは、1.入力データの決定、2.適切なニューラルネットワークの選定、を行えば、ある程度の出力が得られるニューラルネットワークを開発できそうです。
 まずは1.入力データの決定です。とりあえず、ニューラルネットワークは図1に示すように1層の隠れ層を有する構成とし、入力ノードの数と出力ノードの数との中間程度の数で隠れ層のノードを構成しておきます。

 さて、入力データは3パターン考えました。
 1.文書表現上の癖
 2.論理展開上の癖
 3.文書表現上の癖と、論理展開上の癖の双方
いずれの特徴も、技術分野に大きく依存せず、全ての明細書に多かれ少なかれ現れるため、これらの特徴を数値化できれば執筆者と1対1に対応する入力データを作成できるのではないかと推定したわけです。

 以上のような開発方針が決定したら、次は実践です。
まずは各弁理士の明細書を130件ずつ集めました。これらをテキストデータ化し、テキストデータを複数の観点で統計処理し、得られた複数の値を複数のノードへの入力データとします。このような前処理により、弁理士A~Cのいずれかと複数のノードへの入力データとが対応づけられた教師データを390件生成しました。
 今回はこの中の300件をtrainingデータ、90件をtestデータとしました。教師データの中から「1.文書表現上の癖」を表すデータを使って50000回のイタレーションをおこなったところ、以下の図2のようにtrainingデータの正解率(train acc)が96%、testデータの正解率(test acc)が88%になりました。。。。

図2

 88%。びっくりです。正直うまくいきすぎではないでしょうか。明らかに過学習しているなど、向上の余地はまだまだありますが。普段、各弁理士の執筆原稿を読んでいて、「この明細書は弁理士Aが書いたようだ。」などの推定はできますが、たかが表層的な特徴だけで約90%の確率で執筆者を当てられるなんて。。。意外なことに執筆者の癖は明細書でかなり明らかに現れているのですね。人間にはこの精度で執筆者を推定するなんて到底不可能ですよね。ニューラルネットワークのポテンシャルを実感できました。
   さて、長くなってしまいましたので、「1.文書表現上の癖」の具体的な解析、「2.論理展開上の癖」「3.文書表現上の癖と、論理展開上の癖の双方」の具体的な解析については次回に致します。

 

 第2回のエントリはこちら
 第3回のエントリはこちら
 第4回のエントリはこちら

 

・参考文献
「ゼロから作るDeepLearning」オライリージャパン 斎藤康毅 著
いくつか読んだ中では解説が大変わかりやすかったです。この本がなければ今回の成果は得られなかったと思います。
「言語研究のためのプログラミング入門」開拓社 淺尾仁彦・李 在鎬 著
明細書のテキストから特徴を抽出するプログラムを作成する際に参考にさせて頂きました。
「Deep Learning」https://www.udacity.com/course/deep-learning–ud730
  DeepLearningを自己学習するきっかけを与えてくれた講座です。

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プログラム著作物の争点(その2)

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明けましておめでとうございます。

昨年に引き続きプログラム著作物の争点について書かせてもらいます。

 

前回(その1)では、プログラム著作物の判決文のキーワードの解析結果から、

・プログラム著作物の侵害訴訟では『創作性』と『類似』が揉めやすい。

・プログラム著作物の侵害訴訟では『創作性』と『類似』とがセットで揉めやすい。

と言える、というところまでお話ししました。

 

なぜでしょう?

プログラム著作物の著作権侵害が成立するためには、原告プログラムと被告プログラムとを比較したときに、これらの間で『類似している部分』が、原告プログラムのうち『創作性がある部分』であることが必要だからです。著作権法では、「思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの」(2条1項1号)が保護されるのであり、プログラムのうち創作性がない部分はいくらマネをしても侵害にはなりません。

下の図1では、『類似している部分』が大きいですが『創作性がある部分』を捉えていないので著作権侵害が成立しないことになります。一方、図2では、図1ほど『類似している部分』が大きくないですが『創作性がある部分』を捉えており、著作権侵害が成立し得ることになります。なお、原告・被告は一審が基準です。

 

また、図1,図2では、プログラムが加工するデータの加工度に注目した横軸(入力→出力)と、プログラムの具体性に注目した縦軸(機能→ソースコード)で、プログラムの部分を把握しようとしています。今回はこうしましたが、他にもプログラムの部分を把握するのに適切な座標軸は考えられると思います。

ちなみに、海賊版プログラムは、全体が『類似している部分(しかも同一)』となるため、原告プログラムのどこかに『創作性がある部分』が存在すれば侵害が成立します。多くの場合、海賊版プログラムのように単純ではなく、部分的に類似するという状況となるため、『創作性』と『類似』とがセットで揉めることとなります。

 

図2のように、『類似し、かつ、創作性がある部分』が存在すれば、必ずプログラムの著作権侵害が成立するのでしょうか?

その答えは、図2において“『類似し、かつ、創作性がある部分』がどこであるかに依存する”ということになります。このことは、『創作性』と『類似』とがセットで揉めた判例の積み重ねによって定まってきています。

今回はこれぐらいにしておいて、次回は『類似している部分』がどこにあればプログラムの著作権侵害が成立するのかについて具体的な判例を挙げて話をしたいと思います。

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人工知能が変える世界

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 ここ数ヶ月、人工知能に関するニュースを聞かない日はありませんね。人工知能の開発あるいは人工知能を利用した製品の開発がここ数年ブームになっているようです。私自身は2年ほど前に「フューチャー・オブ・マインド―心の未来を科学する」(ミチオ・カク著 NHK出版)を読んだことをきっかけに、人間の心や脳を工学的に再現しようとする試みが今までにないステージに到達しつつあることを知りました。この本にはSFと区別できないような研究も多数紹介されており、面白いと感じるもののリアリティのあることだと受け止めることはできませんでした。それでも、かなりの規模の資金が投入され、今までに無いドライビングフォースで研究が進んでいたのだという事実をはじめて知りました。

 1年ほど前には毎日のように人工知能に関するニュースが報じられていたように思います。シンギュラリティなんかも頻繁に論じられていました。
 技術に関するニュースには過度に期待を抱かせるものが多いため、普段であればほとんどのニュースを読み流します。しかし、連日のように報道され、中には驚くような成果も多かったため、「これはもしかしたら本物かもしれない。」このように感じるようになりました。この頃私自身はニュースで人工知能を知っている程度であり、人工知能とは何を指すのか?なぜ突然ブームになったのか?など、詳しい知識はありませんでした。そこで、人工知能に関する種々の本を読みはじめ、人工知能のプログラミングについても勉強しはじめました。
 当時読んだ本の中では、ベストセラーになっていた「人工知能は人間を超えるか」(松尾 豊著 角川EPUB選書)が印象深かったです。今までに3回ほど読んだでしょうか。
 この本では、「いまの人工知能は、実力より期待感の方がはるかに大きくなっている。」と冷静に分析されています。それでも、「現在の人工知能は「大きな飛躍の可能性」に賭けてもいいような段階だ。」と指摘されています。過度にセンセーショナルに書かない姿勢が信頼感を醸成しているように思えました。
 この本によると、現在のブームにつながるブレークスルーは確かにあったようで、
「1層ずつ階層毎に学習していく」ことと
「自己符号化器を使う」こと
でブレークスルーを果たしたようです。
 これらの要素技術を使うことで「特徴表現をコンピュータが自らつくり出す」ことが可能になった。これが大発明であるということでした。これは、例えば、コンピュータが画像認識をする際に画像のどの特徴に着目するのかを、コンピュータ自ら決定できるようになったということのようです。今までは、人間がどの特徴に着目するのか教えていたため、認識率が向上しなかったと。
 一方、「深層学習 Deep Learning (監修:人工知能学会)」では、「今回のブレークスルーを生んだとされている「層毎の貪欲学習」も、実問題でうまくゆくことが経験的に知られてはいるが、(中略)、内部表現が局所収束を避けた最適なものになっているという保証はない」と述べられています。うまくいく事例はたくさんあるが、「「ブレークスルー」の原因はこれ。」というように明確に言い切ることは難しいのかなという印象を持ちました。

 確定的なことは言えないと学者さんに言われるといまいちすっきりしないのですが、どうやらキモは自己符号化器を利用して層をディープにできたことにあるようです(このように私は解釈しました)。
 いずれにしても、いくつかの要素技術の改善によっていくつかの分野で劇的な結果が得られたことによって今日のブームに至ったらしい。このあたりの事情を知ったのが1年ほど前でした。シンギュラリティや人工知能によって失われる職業などについても盛んに報道されていましたが、少し調べてみると「一般人も興味を持つような目に見える進歩がいくつかのブレークスルーによって達成された。」といった程度のことであり、人工知能が人間の知能を超えると思わせるような具体例は、私の知る限り、提示されていなかったと記憶しています。
 従って、私は当時、「いくらなんでも近い将来に人間の能力を超える人工知能が誕生するシンギュラリティなんてあり得ないのでは?ターミネーターじゃあるまいし。」などと考えていました。「自己符号化器による層毎の学習で内部表現を学習できたと言っても、そのことと、人間を凌駕する人工知能との間には、相当な開きがあるよね?」と。「人工知能は人間を超えるか」の著者である松尾先生も「人工知能が人間を征服する心配をする必要はない。」と述べられており、「人間の能力を超える人工知能」の出現という意味でのシンギュラリティについて、多くの研究者は否定的だったのではないでしょうか。
 ところが、、、最近は、有名な学者さんが「シンギュラリティが来ることにリアリティを感じない方が主流でしたが、だんだん、だんだん、本当だと思う人が増えてきてて。」などと発言されていらっしゃる(「よくわかる人工知能 最先端の人だけが知っているディープラーニングのひみつ」(清水亮 著:KADOKAWA))。多くの人が予想していた速度を超えてすさまじい速度で技術が進歩しているということらしい。。。。

 まじっすか?

 これって、「シンギュラリティは近い―人類が生命を超越するとき」(レイ・カーツワイル著 NHK出版)で述べられている指数関数的な成長が真実だということなのでしょうか。
 私自身はシンギュラリティについてはやっぱり懐疑的(というか想像力が追いつかない)ですが、それでも「近い将来の変革に備えねばなるまい。」最近はこのように考えるようになりました。
 まず特許実務家として、あらゆる産業で人工知能の利用価値が高まることに備えようと思います。ここ一年ぐらい続けている要素技術に関する知識の学習は今後も続けようと思います。また、人工知能に関する技術を権利化する際の特許戦略を常日頃から考えています。進歩性の訴求ポイント、明細書への書き込み、技術進歩の速さに対する配慮など、種々の点で従来の実務と異なる視点が必要のように感じます。
 さらに、本当にシンギュラリティに達するか否かはともかく、人工知能が人間の能力を徐々に獲得していく世界に生きる一人の人間として自己の存在意義を問い続けようと考えています。人工知能にできない能力を備えた人間とはどういう存在なのかと。そして、人工知能が切り開く新しい世界が多くの人類にとって明るい世界であることを期待したいと思います。

※上述の書籍に関する解釈はこのブログの執筆者個人の解釈であり、分析は執筆者にあります。

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勉強会参加者募集

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勉強会の参加者を募集します。

 少人数で活発に議論するスタイルにしたいと思いますので、参加者は多くても10名程度にしたいと考えています。
 参加者の経験値に差がありすぎると議論が一方的になりやすいため、実務経験5年以上の弁理士または年間10件以上の特許出願を扱う特許部所属の方を募集しようと思います。技術分野はソフトウェア、制御、電気、機械に限定します。私自身、化学、バイオ等の明細書執筆経験が無く、メンバーにとって関心のある技術分野が揃っていないと勉強会の効果が薄くなるように思えますので。

 どのようなスタイルでもよいのですが、特許明細書の品質にダイレクトに効くような勉強会にしたいです。
 今考えているのは、
 ・当番が公開公報を選択し、実施形態部分をメンバーに事前配布
 ・メンバーは実施形態部分を読み、勉強会の日までに各自クレームを作成
 ・当日は各メンバーのクレームをみんなで分析し、意見交換
   こんなスタイルです。むろん、勉強会開始前にはメンバーで勉強会のスタイルや場所、時間、頻度等を相談し、多くの方が賛同できるスタイルにフィックスします。実務書(Landis等)の輪読でもよいかと思います。

業界は繁忙期に入っていますので、繁忙期中はメンバー募集と勉強会スタイルの相談期間とし、4月頃に勉強会を開始したいと思います。

 興味のある方はふるってご参加ください。参加を決めていないが問い合わせしたいという方も歓迎です。コンタクトページからメールを送っていただくか、ウェブサイト下部の電話番号にお電話をいただく(担当:岩上)ことで参加を受け付けます。

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プログラム著作物の争点(その1)

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 所属している弁理士会の著作権委員会の活動のからみで、プログラム著作物に関する民事裁判(主に侵害事件)の判例を広く浅く検討しました。ここではその成果を数回に分けて紹介します。もちろん、真の成果は弁理士会から公表される予定ですので、ここで公表できるのはあくまでも成果の副産物です。

 

 第1回ではプログラム著作物の判決文のキーワードの解析結果を紹介します。

 

 解析の方法は、プログラム著作物に関する最近の判例(80個)の判決文のテキストファイルを用意し、それらを争点となりそうなキーワードで横断的に検索するというものです。一通り目を通すのも大変なので...ササッと、PC(Grepソフト)でやってしまいます。一瞬で終わります。PCってすごい。

 その結果(一部)は下の表のとおりです。各セルの数字は、キーワードの出現回数で、10回以上出現しているセルは赤くなっています。最高記録は、『創作性』の160回です。『創作性』が争点になっている判例の数が多く、次いで『類似』が争点になっている判例の数が多いことが分かります。また、『創作性』の出現回数と『類似』の出現回数の相関係数を計算したところ、0.87と極めて強い相関が見られました。

 以上のことから、

・プログラム著作物は『創作性』と『類似』が揉めやすい。

・プログラム著作物は『創作性』と『類似』がセットで揉めやすい。

ということが言えそうです。今回はこれぐらいにしておいて、次回は『創作性』に焦点をあてて、もう少し判決文の内容に踏み込みます。

 

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十周年

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Knowledge Partnersは、2017年で設立十周年を迎えます。
プライベートでは、結婚、子育てなど環境変化の伴う非常に充実した10年でした。仕事関係では、サブプライム問題に起因する景気後退や特許出願件数の激減など激しい環境変化がありましたが、これまで比較的安定的に事務所を運営してこられたと思います。
経営の安定は望むべきことではあるのですが、一方で現状維持で満足するような空気が蔓延すると安定ではなく停滞になってしまいます。そこで、十周年を迎えるこの機にToDoリストを見直してみました。今年からは少しずつでも行動していきたいと思っています。
以下は、今年度に入ってから取り組んだToDoリストの一部です。

外部への発信

ウェブサイトをリニューアルしました。外部への発信を意識しないと事務所全体で内にこもるような空気になってよくない。ブログも再開します。今回はフェイドアウトしないようにしたい。ウェブサイトやブログを通じて尊敬できる人と出会えると理想です。

勉強会

忙しいことを言い訳にして手つかずのままでしたが、実務家同士の勉強会が自己研鑽に極めて効果的と考えておりました。近日中に概要を決めて参加者を募集するつもりです。有意義な議論ができる規模の参加者が集まるといいなあ。

海外代理人を訪問

海外代理人を訪問してきました。業界の繁忙期は3月で終了し、4月、5月は比較的仕事量が少ないため、この時期であれば1週間程度不在になる予定であっても無理なくこなせます。Knowledge Partnersが外からどのように見えるのか改めて意識するいい機会になりました。海外出張には定期的に出かけたいと考えています。

次の十年、その次の十年も期待される事務所であり続けるために、変化に対応できる組織作りをしていこうと思います。

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チェロの続き

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 相変わらずチェロ・メタルバンドのアポカリプティカにはまっているおかげで、自分のチェロの練習も少しだけ頑張っている。
大人の習い事として始めて11年、やっと(今頃)音を鳴らせるコツが分かったというか、まぁ先生に教えてもらったんですけど。
今弾いている曲はヴィヴァルディの『四季』の中の『冬』の一部分。ゆったりした曲なので自分としては音が切れないようになめらかに弾きたいところ。
先生に演奏を聞いてもらうと、
音はそんなに切れていないけど、もうちょっと音を鳴らせないですか?とのこと。
どうも私の音は薄っぺらい感じらしい。なんとなくわかる。先生が弾くと、たった一音でも音がふくらんで幅があるというかなんというか、とにかく、音楽、というかんじ。私のは平たんな一音をつなげてるだけ。
ではどうすればいいかというと、ただ弾くだけではなく、
弓を引くときは脇を大きく開ける。
弓を弦に乗せたら段々コマ寄りに弓をすべらせていく。
さらに、なめらかにしたいからといって移弦のときに音をつなげ過ぎず、むしろ少し音を切る方がいいとのこと。
これでやってみると・・・
おおっなんだか前よりいい音が出てる(ような気がする)!
特にコマ寄りに弓を持っていく、というところで実感。
このやり方で、先生に楽譜の下のパートを弾いてもらって『冬』を合奏してみた。ちょっと音楽っぽい!?楽しい!!やっぱり音が合わさると楽しい。この曲はスローテンポで割と簡単なので自分もそれほど緊張せずに弾ける。
せっかく今やる気が少しあふれている時なので、今のうちに自主練にはげんでおこう。

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チェロ

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ブログの著者【事務員A】のカテゴリーが「Cello Saxユニット」な割にはここ数年全くチェロのことに触れていない。
これはただチェロに対して情熱を失っているだけ。でも一応月2回のチェロの個人レッスンだけは続けていて、休日は1日30分から1時間程度課題曲の練習をしているがこんな調子では上達するわけがない・・・。
上達しないと自分が好きな曲も満足に弾くことができず、自分の演奏を聴いていてストレスがたまる。
一度先生に「自分の演奏を録音して聴いてみて分析した方がいいですかねえ?」と聞いたら一言、
「ショックを受けるからやめた方がいいですよ」。きっとその通りでしょう。
そういうわけで練習する気力もなく、好きな曲を弾いてはストレスがたまりさらにやる気をなくすという悪循環に悩んでいたところ、最近急にチェロが弾きたくなってきた。
きっかけは『アポカリプティカ』。
『アポカリプティカ』はフィンランドのヘヴィメタルグループだそうで、ボーカルなしのチェロ3人とドラム1人という構成。
たまたま動画サイトで発見して曲が哀愁ただよう綺麗なメロディだったので気に入り早速ライブDVDを購入したみたところ・・・何これ面白いんですけど!!
このバンド、起源はシベリウス音楽院という名門音大でヘヴィメタルバンドのメタリカ好きな4人が集まって学祭でカバーを演奏したのがウケてデビューしたらしい。なのでメタリカや他メタルバンドのカバーが多いが、メタルの激しさをチェロの超速弾きで演奏している。
右手の弓さばき、左手のビブラートともに残像が見える。超絶技巧とはこのことでは。しかも長髪メンバーは激しくヘッドバンキングしながら速弾き。チェロでヘッドバンキングって。かなり笑える。よく弾けるなあ。こんな感じで思わず笑ってしまいながら見ていたが、さすが元はクラシック畑の人々。テクニックはすごいし、曲間の哀メロパートやバラードではチェロを最高に生かしてうっとりするほど美しく弾きあげている。かっこいい。
私が初めて動画サイトで見た曲もメタリカのカバーだったようだ。驚き。メタルはクラシックに通じるものがあるそうですが、こういうことでしょうか。
久々に刺激的なモノを見て、やっぱりチェロって楽しいなあ、と。ちょっとまた練習がんばってみよう。
ちなみに彼らの映像を3歳の姪っ子と一緒に見ていたためか、姪っ子はチェロ=ヘッドバンキングと誤ってインプットしてしまった模様。
私のチェロを指さしては「ヘッドバンキングする」と言ってチェロで遊ぼうとしています。
弓を渡すとチェロを弾くマネをしながら頭を上下にふっています。
間違ってます。

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節電の夏

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 今年の夏は節電。
 私が通勤に利用している電車も1車両につき3本か4本蛍光灯を間引いて節電している。社内冷房も温度を少し上げているらしい。毎夏、電車の冷房が寒いと思っている寒がりの私には、これはとても嬉しい。
 家庭で使う電気はやはりエアコンと家電製品が大きいと思う。
自宅の、特に自室でのエアコン使用については、もともと毎年よほど暑くならない限り、または人が来ている時以外はつけないので良しとする。しかしテレビなどの家電製品については外出する際はいつもコンセント差しっぱなしの主電源つけっぱなし。いかんいかんと思いつつ、主電源つけっぱなし。が、今後は本格的に気をつけようとまず節電タップを購入した。テレビやオーディオのコンセントをタップにまとめて差し、外出前にパチパチと全て電源オフすることにした。慣れてみると意外となんてことない。しかもタップに刺さっている各コンセント毎のオレンジ色の電源ランプが消えるのを見ると、すっきりして涼しくなったような気がする。もっと良かったことは、帰宅して一度座ってしまうと今度は立ち上がってタップの電源を入れに行くことが面倒になり、テレビをつけなくなった。今まではとりあえずテレビをつけてしまって眺めてはあっという間に時間が経過していたので、時間も電気も節約できたことになり、これは収穫だと思う。
 この空いた時間に、世間では、ちょうど断捨離というものがはやっているようだし、長年開かずの間になっていた自室のクローゼットの整理をしてみることにした。
このクロ-ゼットは2畳分位の広さで、衣類の他に、何が入っているのか分からないボックスなどがいくつも山になっている。クローゼット中使用しているのは衣類スペースのみで、他は見て見ぬふりをしていた。とりあえずボックス群を引きずり出し、開けて中を出してみると、出るわ出るわ今更使えないガラクタだらけ。過去に海外旅行に行った時に記念になるかと現地でもらってきた新聞や店のパンフレット、風化して破れた氷枕、一度も使ったことのない何かの景品のリュックサックや雑貨、古雑誌、ビデオテープ、カセットテープ・・・・全部捨てよう!と決心しても、仕分けていると、まだ捨てなくてもいいか・・・と一瞬ためらう物が出てきてしまう。そんな時は、友達が断捨離の講師(?)に言われたという「ときめかない物は捨てる」という格言を思い出してどんどんゴミ袋に入れていった。大体、今まで存在すら忘れていたのだから。
半日がかりで作業し、結局たった2畳分のクローゼットから出てきたゴミは、
・ゴミ袋(大)が5袋分
・紙、ダンボールなどの資源ゴミが車の後部シート一杯。
かなり骨は折れたけど、この作業のおかげでクローゼットの中はかなりすっきり、見やすく、物が取り出しやすくなった。ごちゃごちゃした場所が片づくと風通しが良くなったようでかなり気分がいい。気を良くして次は家中の別の収納スペースを断捨離しよう、と思いつつも作業中と作業後は暑くなってついエアコンを入れたくなってしまうので、節電のため冬へ持ち越しすることにします。

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草むしりとか

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 ここのところ、毎日、朝起きてから事務所に出発するまでの間に庭の草むしりをしている。
 庭には直径1.5mぐらいの円形の花壇エリアがあり、ジューンベリーやイチゴやハーブや花とかを育てている。花壇エリア以外はコンクリートか砂利で覆われており、草むしりの主戦場は花壇エリアとなる。
 花壇エリアは毎日草むしりするほど広くないが、毎日やらなないと気が済まなくなっている。決して使命感に囚われてやっているのではない。草むしりをしながら、毎日少しずつ成長する植物を見ていると、不思議と充足感が生じてくる。
 また、少し前までは、草むしりのついでに花壇エリアに植えてあるジューンベリーの木についたアブラムシの除去するのも日課だった。こちらはテントウムシの幼虫10匹ぐらいと共同作業である。4月の下旬に近所の公園から何度かテントウムシを採ってきて放しておいたら、幸運にもジューンベリーの葉っぱに産卵してくれた。幼虫は空を飛べないため、ひたすらジューンベリーの木についたアブラムシを食べてくれた。
 ただ、5月中旬ごろにはアブラムシの繁殖力が落ちてきたのか、アブラムシが不足してしまった。このころには、テントウムシの幼虫に情がわいてきてしまって、飢えないようにジューンベリーの木に他からアブラムシを移植しようかと本気で考えた。
 が、「ごめんね幼虫さん、おじさんは、そんな本末転倒なことをするほどマヌケではないのよ」と心のなかでつぶやきつつ、放置することとした。
 そのおかげで、5月の最終週から毎日5~10粒ぐらいのジューンベリーの実(しかもアブラムシなし)が収穫を子供と一緒に楽しむことができている。ジューンベリーの実はサクランボに似た味で、美味しいかと聞かれると正直微妙なのだが、飢えに苦しんだテントウムシの幼虫たちのことを考えると美味しくないとは言えまい。

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