テレビゲーム関連の特許の統計をまとめてみました。
FIをA63F13/00に限定して検索し、出願人毎に年間の件数を集計しました。件数は、公知日が属する年毎にカウントしてあります。A63F13/00は、ソフトウェア寄りの案件の抽出を念頭にしています。ハードウェア用の技術はあまり含まれていません。ハードウェア用の技術を含めると、ソニーさんはとても件数が多くなります。各社さんの業態が違いますので、同じ土俵での比較にはなっていないかもしれませんが、ざっくりと動向を知ることはできるかなと思っています。
図1は集計結果です。企業別に、年間の件数を棒グラフで示しています。積み上げグラフなので棒の全長で10年間の総件数を比較できます。
検索し、集計すると、いろいろなことがわかりますね。
まず、コナミさんの存在感。他の企業さんと比較して突出して特許出願の件数が多いのですね。知財を重視されていることがよくわかります。
上位3社は、特定の時期に件数が増加しています。コナミさんは2013,2014年。グリーさんは2014~2016年。コロプラさんは2017~2020年。おそらくは、有名な訴訟の当事者なので、訴訟を受けて出願戦略を立てた結果、攻撃、防御のために選択肢を増やしたと言うことなのでしょうね。カプコンさんが2019年~2021年の出願を多くされているのも同様の理由でしょうか。
多くの企業さんで10年前よりも近年の方が、件数が増加する傾向にあります。近年、ゲーム業界では、大きな特許訴訟が結構な頻度でありますので、各企業さんで対策を打っていると言うことでしょうか。
最強の知財部として名高い任天堂さん。件数は意外と少ない。でも最強と言われている。。。数より質なのでしょうね。
検索条件に登録日ありとすると、登録された案件のみを検出できます。年毎の「登録件数/公知件数」を計算すると、2012以降、大半の企業さんは8割~9割の登録率ですが、5割~6割の登録率の企業さんや、近年、登録率が徐々に低下している企業さんもいらっしゃいます。登録された請求項の質が最も重要なので、登録率の高低が単純に質の高低とはいえませんが、投資を登録に結びつけることを重視するのか、件数を重視するのか、いろいろと企業さんの姿勢が垣間見られます。
最後に、全体を眺めて見ますと、特許出願件数の多寡は、売上の多寡とは必ずしも一致しないことがうかがえます。売上が大きいのはソニーさん、任天堂さん、コナミさん、スクウェア・エニックスさんですが、特許出願件数はコナミさん、グリーさん、コロプラさん、任天堂さんという順位になっています。他社に対向するための特許出願の件数は、自社の売り上げよりも、業界の動向、他社の特許出願件数に依存するでしょうし、訴訟などの個別の事情もあり、相対的に売上が小さい企業さんであっても、他社に対向するために件数を確保しなければなりません。あるいは、相対的に売上が小さい企業さんであっても、特許出願に投資すれば、大手の企業さんに対向できる存在感を持つことができると言えるかもしれません。このような事情はどの業界でも同じと思います。
今後は、有名な特許訴訟や明細書など、個別の事案も研究していこうと思っています。
みなさん、Cycle Around Japanってご存知でしょうか。
NHK World の番組らしく、BS4Kでもたまに放送しているようです。ネットで検索すればすぐにヒットします。動画をブラウザで視ることもできます。
この番組は外国の方向けに日本各地を紹介する番組で、毎回、自転車で各地を巡ります。
とても素晴らしい番組です。視ると旅に出たくなります。
最近はコロナウイルスの影響で、海外旅行にはなかなか行けませんが、国内で、しかもサイクリングならかなりリスクは低いですね。
日本の風景、文化、人、どれをとっても魅力的で、今まで私がいかに日本の魅力を知らなかったのか、気づかされます。海外に行けないなら日本国内で旅行をすれば良いではないか、いや、むしろ、先に日本国内を旅行しよう!と思います。
近場から、少しずつ、自転車で訪れてみようと思っています。
ほそぼそと、電子工作を続けています。
電子工作は、趣味であると同時に、マイコン制御を学習する機会を得るために続けています。が、ここまでは、思い出したときに半田ごてを握る程度でした。
昨日もいつものように、雑誌等で見つけた題材を完成させるため、半田付けをしていたのですが、そのときに気づいてしまいました。自転車×電子工作なら魂が入るのではないかと。
先日来、自転車沼に嵌まっています。将来はサイクリングイベントにも参加したいと考えており、自分の体力を試しながら長距離のライディングにも出かけています。そうすると、当然、サイクルコンピュータがほしくなる。近いうちに購入しようと思っていたのですが、いや待てよと。自分で作れば良いのではないか?自分で作るのなら、電子工作にも沼的に嵌まれるのではないか?
で、調べてみました。arduinoやraspberry piを使ってサイクルコンピュータを作ることは可能なのか?
可能なようです。ネットで検索すると、実際に作ってしまっている猛者が沢山います。もしかしたら私にもできるかもしれません。私の場合は、決して製品レベルになる必要はないのです。工作を通じて学習できれば良いのですから。。。
実際に完成するかどうかわかりませんが、ちょっと踏み出してみようかと思っています。
明細書を読んでいて、小説を読むより楽しいと感じたことはありますか?
特開2018-110659公報。非常に楽しく読ませていただきました。
私の家族は、ゲームが大好きです。ボードゲーム、テレビゲーム、謎解き。一人ではなく、複数人で楽しめるゲームを家族で楽しんでいます。嵌まったゲームは沢山ありますが、たまに大ヒットがあります。ボードゲームなら「カタンの開拓者たち」、テレビゲームなら「splatoon 2」。
splatoon 2は、4人でチームを組み、インクを発射する水鉄砲のような武器でバトルするオンラインゲームです。私の家にはswitchが2台あり、家族でチームを組んでプレイしてました。戦略を相談しながらプレイするのがとても楽しい。先日、このゲームの続編、splatoon 3の発売日が発表され、非常に話題になっています。splatoon 3は、特許についても少し話題になっていました。ゲーム内で参照できるマップの見やすさを改善する技術に関するUS出願がツイートされたとか。splatoonファンとしては、確認しないわけにはいきません。このUS出願の基礎、特開2018-110659を読んでみました。
とても楽しく読ませていただきました。発明の対象が好きなものだとこんなにも明細書を読むのが楽しいのですね。内容は、ゲーム中に表示可能なマップに関する技術で、
・俯瞰マップにおいて、プレイヤが立体構造物に隠れている場合と隠れていない場合で、表示態様を変える
・俯瞰マップにおいて、立体構造物の上方に塗られたインクを、下方に塗られたインクより明るく表示する
・俯瞰マップにおいて、マップを表示するための視点となるカメラを移動させることができる
などが、請求項に含まれています。
明細書には、これらの他にも、「スーパージャンプ」の際のジャンプ先の選び方や、坂の面に傾斜方向に垂直な線を入れることで斜面に見えるようにする工夫などが開示されています。明細書に「スーパージャンプ」なんて書かれていると、なぜかうれしくなってしまいますね。
フローチャートは、1フレーム内に操作受付、キャラクタの移動、攻撃の発射制御等の各処理を行い、1フレームの処理を繰り返すような流れになっていました。ゲームを作成することでプログラムの勉強をしていたとき、リアルタイムゲームを作るときの典型的な処理の流れとしてこういうタイプのフローを学習したことを思いだしました。
明細書は楽しく読ませていただきましたが、この明細書の技術、splatoon 2ですね。一部、splatoon 2に採用されていない内容が含まれるように思えましたが、上述の技術はsplatoon 2に使われています。出願日が2017/1/10で、splatoon 2の発売日は2017/7/21ですから、splatoon 2のための出願と考えるのが妥当ですかね。手元のswitchでsplatoon 2を起動し、マップを確認してみましたが、請求項で述べられていた事項は、全てsplatoon 2で実現されています。インクの明るさ等は今まで気づいていませんでしたが、確かに、このような明るさの違いによって、高低差があることがよりわかりやすくなりますね。
splatoon 3の技術を発売前に垣間見られることを期待して明細書を読みましたが、残念ながら、違ったようです。でも、明細書を読むこと自体は楽しかった。こんなに楽しく読めるなら、他の明細書も読んでみようと思います。明細書に限らず、ゲーム関連の特許について、判例の研究をしてみようとも思っています。
自転車の技術を少しずつ学習しています。書籍、雑誌も読みますが、やはり私は弁理士ですので、特許公報も読みたくなります。私は、コンポーネントを交換しながら今の自転車に可能な限り長く乗りたいと考えています。交換に際してそれぞれのコンポーネントについて、学習しましたが、コンポーネントの基本は理解しつつあるので、今度は特許公報を見ながら深く学習しようと考えています。まずは、コンポーネントメーカーの出願動向を調べてみました。
図1は、メジャーなコンポーネントメーカーとパナソニックについて、自転車関係の特許の公開件数を公知年別に集計したものです。出願人&IPC(B62)で検索しました。IPC のB62には自転車以外の車両も含まれますが、検索結果をざっと見たところ自転車関係が大半でした。図2は、図1の結果に登録日ありの条件を追加して集計したものです。
雑誌を読んだり、自転車屋さんで話をしたりしていると、コンポーネントの品質、ブランド力はシマノさん1強という印象がとても強いです。多くの自転車乗りはシマノ製品のファンだと思うのですが、やっぱり私もファンです。自分の自転車のコンポーネントは可能な限りシマノ製品にしています。圧倒的に安心感がありますからね。
シマノさん1強状態は、特許からも裏付けられました。カンパニョーロさんは、外国メーカーとしては日本で結構出願しており、一定の存在感がありますが、シマノさんの件数と比較すると控えめですね。日本の特許に関して、両者は互角ではないようです。
SRAMさんは日本でほとんど出願していないようです。もしかしたら検索方法が悪いかもしれませんが、google patentsでSRAMさんのUS出願を眺めていても、ファミリーに日本が含まれる出願は見当たりません。以上の簡単な検索のみから判断する限り、特許から見てもコンポーネントに関してシマノさんは敵無しのようです。
シマノさんの出願、登録は、2019年に突出して件数が増えています。強い意志が感じられますね。2019年に公知になった公報をいくつか眺めて見ました。どうやら、モータアシストのある自転車、電動コンポーネントや制御系の出願が多いようです。
2019年より少し前に自転車業界で何が起こっていたのか調べていたら、2019年前後の自転車業界の分析をしたこんな記事を見つけました。
激変する自転車部品業界でシマノを襲う二つの波
大変興味深く読ませていただきました。機械式の機構から電動式の機構への移行が進むと、従来と異なる業種と戦っていく必要があるようですね。新興国のメーカーや自動車コンポーネントメーカーとも競合していくかもしれません。上述の検索では、メジャーなコンポーネントメーカーのみについて調べただけなので、機会があれば、メーカーを限定せずに、自転車関連の特許検索をしてみようと思います。
どの業界でも各種の変化に対応していく必要があるのだと思いますが、特許公開件数を眺めていると、シマノさんは、他のメジャーなコンポーネントメーカーよりかなり先行しています。少なくとも特許に関しては日本国内において盤石の地位が維持できるように手を打っているように見えます。日本国内におけるブランド力、特許動向から考えると、当面は盤石、1強状態が続くと予想されますが、はたしてどうなるでしょうか。シマノ製品ファンの私としては、消耗品交換の際にシマノ製品を使いつつ、今後の業界の動向もウォッチしていこうと考えています。
自転車のコンポーネントを交換しました。
BB、クランクセット、スプロケット、チェーン、リアディレーラーのプーリを交換しました。当初は自宅で交換しようと考えていたのですが、レンタルピットがあり、ワンポイントレッスンも実施している自転車屋さんがあることを発見したのでそちらで教えていただきながら作業をしてきました。
今回の交換は、ディレーラーを除くドライブトレインのほぼ全替えになります。結構な作業量でしたが、大変楽しく作業することができました。自転車のコンポーネントの交換は難しく思えますが、丁寧に教えて頂いたので、次回以降は自分で作業できると思います。チェーンなどの消耗品はきちんと定期交換していこうと思います。
さて、自分でコンポーネントを交換すると言うことは、一度分解すると言うことなのですが、素人が知識を身につける上で、これ以上に効率的な方法はないですね。本で学習するより圧倒的に早いです。分解の過程で、その機械の特性や構造、そのような形状になっている理由等を深く理解することができます。例えば、前回の交換の際にVブレーキを一旦取り外しました。Vブレーキにはばねの強度を調整するネジがあるのですが、なぜこのネジでばねの強度を調整できるのか理解できます。簡単なことなのですが、分解してみないと調整可能な理由をそもそも考えずに済ませてしまうことが多いです。ドライブトレイン周りでは、クランク周辺の部品の取り付けのためのネジが逆ネジなのかそうでないのか、BB(スクエアテーパータイプ)の取り付け順序がある理由、BBのシャフトに対するクランクの固定の仕組み、等々。。いろいろと勉強になりました。
機械いじりは楽しいですね。当面必要な交換は済ませてしまったので、私の自転車の部品をしばらく交換する必要がありません。乗り物として考えると、大きなメンテナンスがしばらく不要であることは喜ばしいことなのですが、機械いじりができないのはちょっとさみしいです。今後は、日常の使用の結果、劣化したコンポーネントを替えていこうと思います。いつか最初から一台組み上げたいですが、それはちょっと先の話です。
当面は、サイクリングを楽しんでいこうと思っています。そうすると、気になるのはサイクルコンピュータとか、履歴記録アプリとか、ですね。少しずつ試していこうと考えています。
シマノ自転車博物館に行ってきました。
主な展示は、自転車の歴史を実機と共に解説したものです。自転車の草創期から今の形に至るまで、形態やコンポーネントの変遷がわかりやすく解説してあります。
初期の自転車は、ドライジーネという乗り物でペダルはなかったそうです。足で地面をけって進む乗り物で、自転車の練習に使われる子供用のストライダーと同様の形をしています。ドライジーネはドイツとフランスで特許も取っているそうです。
ドライジーネ以後、前輪に対して直接クランクが接続された形態に進化し、その後、前輪で操舵し、クランクの回転で後輪を駆動する形態に進化したとか。
140年ほど前には今の自転車の形態とほぼ同一の形態まで進化したようです。140年前から現在に至るまで、自転車の形態はあまり変化しませんが、パーツは徐々に進化していきます。材料も進化し続け、デザインも進化します。少し前のコンポーネントより現在のコンポーネントの方がデザイン的に洗練されているのがわかります。もちろん、機能も進化しているのでしょう。
特許出願を調べてみると、まだまだ進化は止まっていないようです。最終形まで進化してから100年以上も経過している装置なのに進化し続けるって、わりと珍しいのではないでしょうか?私は最近は自転車の雑誌をよく見ており、徐々に最新のテクノロジーを把握しつつありますが、特許出願の動向を調べると技術の内容をより深く理解できそうですね。ちょっと調べてみようと思っています。
沼のほとりにいます。
自転車沼の。
最近では、趣味などにどっぷり嵌まることを沼に嵌まると称するようですね。
私は自転車沼に嵌まりかけているのかもしれません。
ここ10年ほど、晴れた日には自転車で通勤しています。10年も使っていると自転車はかなりぼろぼろになります。先日、さすがに消耗品を交換しないといけないと思いまして、いろいろ調べ始めました。調べてみると、自転車のコンポーネントは自分でも交換できそうだとわかりました。考えてみれば当たり前ですね。自転車のコンポーネントは基本的にはシンプルな機械なのですから。自分で交換しようと思い始めるともう止まりません。メンテナンスの書籍を買い込み、ネット記事を読みあさり、気づいたらコンポーネントを注文していました。とりあえずは、前後タイヤ、ブレーキワイヤ、グリップ、サドルを変えてみました。理想的な調整状態とは言えませんが、ブレーキはしっかり効くようになりました。ついでに10年蓄積した汚れを落としたので気分が良いです。
次は、、、延びきっているチェーンを交換しなくてはいけません。最近は頻繁に歯飛びしますので。そうすると、10年変えなかったスプロケット、クランク、ギアあたりも交換したくなります。調べてみると案外簡単そうです。できればBBも変えたいなあ。。。。
将来的には、コンポーネントを買い集めて好きなフレームに取り付けることで、オリジナル自転車ができるのではないか。。。
今使っている自転車のメンテナンスをしていたのに、いつの間にか一から組み立てる所まで妄想し始めてしまいました。。。
これって、沼ですかね?